ホーンテッドマンションの「伸びる絵」にエレベーターが設置されてる都市伝説は本当?
と誰もが一度は考えたことはありませんか?
ライドに乗る前の「壁が上がっているのか地面が下がっているのか」という伸びる絵のシーンで、
エレベーターで下がってるんだな!
と思う人が圧倒的に多いはずです。
しかし、東京ディズニーランドにはエレベーターがありません!
アナハイム(カリフォルニア)のディズニーランドのみにエレベーターが設置されていて、
他のパークでは全て壁が上がっていく構造になっています。
なんでアナハイムのディズニーランドではエレベーターが設置されたの?
今回は、この謎を解明するために
ホーンテッドマンションの「伸びる部屋」の徹底解説をご紹介します。
下記の記事を先に読んでから読むと、さらに詳しくホーンテッドマンションを知ることができます!
アナハイムのディズニーランド拡張計画
1955年7月17日にアナハイムに世界初のディズニーランドがオープンしました。
当初、アトラクションは11種類しか存在せず、ホーンテッドマンションもありませんでした。
ジャングルクルーズと蒸気船マークトゥエイン号はオープン当初からありましたよ!
Walt Disneyはパークの拡張計画を真剣に考えており、開園から2-3年後にプロジェクトがスタートします。
ディズニーランド拡張計画の問題点
拡張プロジェクトで、ホーンテッドマンションの建設も考えられていました。
この時点でニューオリンズスクエアに建てることは決まっていたのですが、問題点が1つあります。
それが、ホーンテッドマンションのショースペースがDisneyland Railroadの線路によって建設が不可能なことです。
ショースペースとは、アトラクションの内部を指す名称です!
海外パークの汽車は、各エリアに駅が用意されていることが多いです!
日本では、鉄道法により2駅以上駅を作ると公共交通機関になるので、駅は1つしかありません。
オープン当初に造ったDisneyland Railroadは、園の縁を沿うようにパークを一周できるアトラクションです。
そのため、パーク内に新しいアトラクションを建設することが困難となっていました。
パーク外にアトラクションの内部を造る
パーク内に新しいアトラクションが建設できない…
と嘆いていたイマジニアたち。
そんな中、1つの名案が浮かびます。
それは、パークの外にアトラクションのショースペースを造ることです。
次に出てくる写真は、人によっては夢を壊してしまう画像です。
ご注意ください。
Haunted Mansionと地図のマークが付いている部分が、パーク内から見えている建物です。
左側に大きな白い建物が見えるけど、これは何?
この大きな建物がアトラクションのショースペース(内部)です。
右下の手前に見える線路っぽいものは?
これが、Disneyland Railroadが走っている部分なんです。
このように、ショースペースを上手くパーク外に建設することに成功しました。
私たちが見えてる部分の建物に、完成度の高いアトラクション内部を造ることって難しいんですね。
ゲストをショースペースへ移動するのにエレベーターが大活躍
パーク外にショースペースを造ることに成功しましたが、どのようにパークの外にゲストを連れていくかが次の問題でした。
Disneyland Railroadが通っているので、キューラインでパークの外に移動させるのは困難です。
線路を避けてパーク外に出るようにするには
- 線路の上に渡り廊下を建設する
- 線路の下に地下路を建設する
の2通りが思い浮かびます。
線路の上に渡り廊下を建設すると、汽車からの景色に違和感を与えてしまう可能性があります。
その結果、線路の下にアトラクションの入り口とショースペースを繋ぐ地下通路を設置しました。
地下通路に移動するのに使用されたが、エレベーターです。
そして、エレベーターで移動しているのを上手くカモフラージュするために作られた部屋が「伸びる部屋」です。
絵画のおかげで自分たちが動いているのか、天井が動いているのかわからなくなる魔法は素晴らしいですよね!
アナハイム以外では、全て天井が上がっている
ホーンテッドマンション内に「伸びる部屋」が造られた理由と仕組みについてご紹介してきました。
しかし、これらの話は全てアナハイムのディズニーランドのみに通ずるものです。
そこで、他のディズニーパークではどのような仕組みになっているのかご紹介します。
ウォルト・ディズニー・ワールド:マジック・キングダムの場合
ウォルト・ディズニー・ワールドは1971年10月1日にオープンしていますが、オープン当初からホーンテッドマンションは運営されています。
リバティスクエアという19世紀のイギリス植民地時代のアメリカをモチーフにしたエリアに建っているのです。
東京ディズニーランドで例えると、ウェスタンランドのようなエリアです!
アナハイムのフランス式のホーンテッドマンションの外観が似合わないため、マジック・キングダムではゴシック様式の外観が採用されてます。
また、パーク内にショースペースが建設されているのでわざわざエレベーターを設置する必要がありません。
東京ディズニーランドの場合
東京ディズニーランドのホーンテッドマンションは、1983年4月15日のオープン時から運営されています。
また、フォンタジーランドに建設され、ゴシック形式の洋館が採用されています。
マジック・キングダムのホーンテッドマンションと同じ外観です!
こちらもオープン当時からあるため、ショースペースはパーク内に設置されています。
そのため、エレベーターではなく天井が上がる方式を採用しています。
【豆知識】日米でホーンテッドマンションのBGMの音程が違う!
東京ディズニーランド用にホーンテッドマンションが造られた際、
日本人が異国の文化でも怖さを感じるようにBGMの音程を低くしたのです!
東京版↓
マジック・キングダム版↓
最初の2-3分聞いてもらえればわかりますが、違いが一目瞭然です!
ただ日本にアトラクションを持ってくるのではなく、日本人でも楽しめるように細かい部分を変更するのは流石ディズニーですよね!
ディズニーランドパリは一味違うホーンテッドマンション
ディズニーランドパリにもホーンテッドマンションはありますが、日米とは全く異なります!
まず、名前がファントム・マナーに変わっているのです。
パリに作る際、「ホーンテッド・マンション」だと英語すぎるから「ファントム・マナー(日本語訳:おばけたちの縄張り)」に変更されました。
言葉の響きとして「ファントム・マナー」の方が、よりフランス語らしく英語にも対応していますもんね!
また、アトラクション内部もより不気味さを増していたり、物語自体に変更が加えられたりしています。
一度YouTubeの動画を見て、どのように違うのか感じることをおすすめします!
上海・香港にはホーンテッドマンションは存在しない
どのパークでも大人気なホーンテッドマンションですが、上海と香港のディズニーランドにはないんです!
理由として以下のことが考えられます。
中国人の特に年配層は幽霊の存在を信じている。近親者の霊は敬意を持って付き合えば、困った時に助けてくれると信じられている。幽霊たちは年に一ヶ月、現実世界に舞い戻って暮らし、見分けがつかないので注意が必要だ。中国文化圏で幽霊が子供向け書籍に登場することはまれだ。幽霊屋敷の中を駆け巡るホーンテッドマンションは中国人らが楽しめるものでは無いのだ。このアトラクションは実際、中国人には恐ろしすぎる。
上海ディズニーには存在しない2つのアトラクション
お盆のような慣習があるようですが、日本よりも幽霊の存在が身近でお化け屋敷という概念があまりないようですね。
また、幽霊よりも妖怪の方がお化けの対象として良いのかもしれません。
ホーンテッドマンションではありませんが、香港ディズニーランドには「ミスティック・マナー」というアトラクションがあります!
外観や内装は似ているところが多いのですが、ストーリーは完全オリジナルです。
気になる人は是非下記の動画を見てください!
【ホーンテッドマンション】伸びる絵の仕組みは乗り物の歴史でわかる まとめ
今回は、ホーンテッドマンションに「伸びる部屋」がある理由をご紹介してきました。
- 「伸びる部屋」ができた理由
- 1. ディズニーランド拡張計画で、パーク外にショースペースを建設せざるおえなかった
2. Disneyland Railroadによって、キューラインを工夫する必要があった
3. エレベーターを使用することで、ショースペースへ誘導できるようにした
4. アナハイム以外のディズニーパークでは、オープン当初からホーンテッドマンションはあるので、エレベーターは採用されていない
5. 各国の文化によって、アトラクションの仕様が異なる
夢を与えるための演出が多いディズニーですが、意外と現実的な問題を解決するためにイマジネーションを使っている場合も多いです!
なぜこのようなアトラクションを作ったのか
と考えながらパークを周ることもおすすめです!
今回ご紹介した話をディズニーランドに一緒に訪れた人にして、いつもと違うアトラクション体験をしてみましょう!
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